我が国最初の官立寺院= 大安寺創建のいきさつや由緒、仏像を始めとする財産目録から、奈良時代の大寺院の姿を掘り起こす。今日までの様々な研究や発掘による成果に基づき、その宗教的意義や文化的意義を再認識する講座の単行本化。 |
◉南都・大安寺歴史講座第二弾◉ |
|
大安寺伽藍縁起并流記資財帳を読む
大安寺歴史講座1
菅谷 文則 著 |
B6判・並製・150ページ |
定価
(本体1,500円+税) |
ISBN978-4-86249-388-0 |
2020年 2月 刊行 |
|
■主要目次
はじめに――国家と仏教
一 『 大安寺伽藍縁起并流記資財帳』とは……『資財帳』の作成と提出
二 大安寺の「縁起」――その由緒といわれ……大安寺の起源/飽波葦墻宮と羆凝寺/百済大寺の遺跡/百済大寺の造営/高市大寺と大官大寺/大官大寺跡の発掘調査/大安寺縁起とは
三 大安寺の資財1――仏・法・僧……大安寺の仏像/巨大な繍仏/経典と僧侶
四 大安寺の資財2――財物……金・銀・銅/供養具と仏具/大安寺にあった大量の鏡/寺内の用具と仏具/舶来顔料と薬品/絹と布/さまざまな香料/寺内の用具と調度/大安寺の武器・武具/その他の雑物/大般若会の調度/唐楽と伎楽の用品
五 大安寺の資財3――寺地と伽藍……大安寺の寺地/大安寺と薬師寺/大安寺の堂塔/大安寺伽藍の配置/僧房と僧の生活
六 大安寺の資財4――所領……食封/論定出挙稲/墾田地と水田/薗地と庄
七 大安寺の資財5――備蓄米
まとめ……王家との関わり/単に「大寺」とよばれていた/大安寺の造営と道慈/国家の寺
あとがき……森下惠介 |
すがや・ふみのり…1942年奈良県生まれ。関西大学大学院修了。奈良県立橿原考古学研究所で古墳、寺院などの発掘調査に従事、北京大学留学、帰国後は中国考古学、シルクロード学にも取り組む。1995年から2008年まで滋賀県立大学教授。2009年から2019年まで奈良県立橿原考古学研究所所長を務める。2019年逝去。編著に『日本人と鏡』(同朋舎出版・1991)、『シルクロード文化を支えたソグド人』(サンライズ出版・2008)、『三蔵法師が行くシルクロード』(新日本出版社・2013)など |