1947 年神戸生まれの在日華僑女性の闘いの記録。日本の植民地政策の残存の象徴でもある「国籍条項」「外国人登録法」「入管法」に異議を唱え、闘い続けてきた半生。
この日本でどんな理不尽の中に生き、どのように尊厳を守ってきたのか。真の「共生」を次の世代に伝えるために書き記す在日の歴史と現状。 |
その抵抗の軌跡から見える日本の姿 |
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華僑二世徐翠珍的在日
徐翠珍 著 |
四六判・並製・170頁 |
定価
(本体1,500円+税) |
ISBN978-4-86249-386-6 |
2020年 2月 刊行 |
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■主要目次
はじめに ―現に今生きる移民たちが見えていますか。
第一章 私の原点―闘いの軌跡
華僑には家があっても帰る場所がない
第二章 国籍条項
母の渡日―「上海事変」をくぐり抜けて/西成で―黙っていては、中国人として生きられない!/大阪市への訴え、抗議/ほか
第三章 在日中国人―華僑の渡航史
「内地雑居令」と、在日中国人管理体制の始まり/「平和憲法」から除外された戦後/ほか
第四章 「指紋押捺拒否」で問うたこと
機動隊が襲いかかる/警察指紋制度五〇周年記念式典に表彰を受けた人々/現在の法的地位/ほか
第五章 欠けた民主主義
共に生きる社会とは/欠けた民主主義/ほか
第六章 つれづれにあれやこれや―そのⅠ
「靖国合祀イヤです訴訟」・加害者・被害者の出会い―「私たち」が変え得なかった母の「日本人観」/ほか
第七章 つれづれにあれやこれや―そのⅡ
消えたシナ人/曽根崎警察署の地下室はもうない?/ほか
資料編…資料1 著者略年表/資料2 在日中国人渡日関連史/資料3 抗日こそ誇り―指紋裁判における意見陳述/資料4「 恩赦」拒否声明/資料5 戦争法違憲訴訟
原告意見陳述 |
じょ・すいちん…1947年、華僑二世として神戸市に生まれる。武庫川女子短期大学教育学部2部卒業。‘65年~’98年まで保育士として華僑幼稚園、民間保育所、大阪市立保育所に勤務。’71年に勤務していた民間保育所の公立化にともない、大阪市保母採用要綱の国籍条項を根拠に解雇されるが、国籍条項を撤廃させ現職復帰する(外国籍公務員第1号)。‘85年からは外国人登録の指紋押捺を拒否、天皇恩赦拒否など一連の外国人登録法関連訴訟の原告、被告であり、運動の事務局も担う。’97年、米軍基地駐留経費「おもいやり予算」返還訴訟の提訴、小泉首相の靖国参拝違憲アジア訴訟、靖国合祀取消訴訟・安倍首相の靖国参拝違憲訴訟等一連の靖国訴訟を担う「靖国合祀イヤです・アジアネットワーク」の事務局を担うなど、様々な活動を続ける。2007年「非暴力・反戦反差別平和」を理念に市民共同オフィス「SORA」を共同で立ち上げ、共同代表として現在に至る。 |