古来の和歌に詠まれた仏教と、正岡子規が残した宗教句を手がかりに、子規と日蓮の関係史をたどりながら、日本における『法華経』の受容史を考察する。子規の全句から、の宗教句・の日蓮句を掲載。 |
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子規と日蓮
ひとつの法華経受容史
川口 勇 著 |
四六判・ハードカバー・292頁 |
定価
(本体2,700円+税 ) |
ISBN978-4-86249-419-1 |
2021年 10月 刊行 |
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■主要目次
第一章 「勅撰和歌集」における仏教
(一)母の愛/( 二)『日本霊異記』と『万葉集』/(三)『万葉集』の仏教思想/(四)和歌と仏教/(五)釈教歌の登場/(六)「勅撰和歌集」における僧侶/(
七)僧侶の歌/(八)往生伝の人々と法華経/(九)源信について/(十)『発心和歌集』・『梁塵秘抄』・『山家集』/(十一)法華七喩について
第二章 法華経の行者日蓮考
(一)法華経の行者日蓮/(二)持経者について/(三)持経者としての日蓮/(四)「法華経の行者」と信仰の深化/(五)歴史家日蓮/(六)竜口法難と霊山浄土/(七)久遠実成/(八)『開目抄』における「法華経の行者」/(九)『観心本尊抄』にいたるまでの「法華経の行者」/(十)上行所伝/(十一)日蓮が上行菩薩を名乗らなかった理由
第三章 子規と日蓮
(一)日蓮の生涯と子規/(二)子規の俳句観/(三)宇宙即自己/(四)子規の宗教観(五)子規の宇宙観/(六)子規の仏教的関心/(七)子規と浄土真宗/(八)子規の日蓮への関心/(九)子規の日蓮評/(十)日蓮との出会い(一)/(十一)日蓮との出会い(二)/(十二)子規の日蓮句/(十三)晩年の子規と日蓮
資料 子規の宗教句とその管見 |
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かわぐち・いさむ…1941年京都府福知山市に生まれる。’74年寝屋川・正立寺住職就任。2015年正立寺住職退任。現在、日本印度学仏教学会会員(会員歴50年)、俳句結社「古志」同人(会員歴10年)。著書、『法華経世界ここにあり』『本地の人・苅谷日任上人』(編)『法の話・法の詩』『仏教の本流を往く』『俳句的仏教的俳句』他。論文、「日蓮」「霊異記の法華経」「トガノオ考」「日蓮聖人の後世観」「日蓮聖人と諸天善神」「道元禅師と日蓮聖人の法華経観」「日蓮の上行自覚について」「神仏習合と本覚思想」「仏教と俳句」「芭蕉の方法―その推敲の足跡―」「闘病と受難―子規の宗教観と日蓮―」他。詩集、『ぼさつの道』『みほとけよ』『塵のなか』『死を生きる』『入学式』『みつめる』『水の音』『流されて』。宗門行賞
1995年/第八回古志俳論賞 2013年/第十三回涙骨奨励賞 2017年。大阪府寝屋川市在住。 |
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