戦後日本と自由キリスト教会 |
中国共産革命に追われ、台湾を経て、1950年代戦後復興期の日本に入った北欧自由ミッション(キリスト教ペンテコステ派)の宣教師たちの開拓伝道の道程と、日本の青年たちとの心の交流の様相を、社会史的視点から多角的に跡付け、具体的に解明する。北欧への実地調査を含め、関係者の口述資料と様々な記録資料を分析・検討し、全体像とその内実を明らかにした。
活動の主たる地域は、愛知(守山区・瀬戸)、福井(武生・大野・三国・丸岡・金津)、石川(小松)、京都、神戸、北海道(東広島市)など。 |
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北欧から来た宣教師
大谷 渡 著 |
四六判・上製・234ページ |
定価
(本体2,800円+税) |
ISBN978-4-86249-327-9 |
2018年 4月 刊行 |
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■主要目次
序 章 中国から台湾、そして日本へ
戦火を逃れて/姉妹との出会い/日本留学の約束/番匠鐵雄のこと/守山から瀬戸へ/瀬戸の窯神
第一章 瀬戸伝道のはじまり
初めての訪問者/ハーゲンの決意/「自由基督教会」/窯神での暮らし/初期の受洗者/初期信徒点描/陶磁器の街の発展
第二章 神の子らの肖像
清二の終戦/瀬戸の陣屋へ/大学へ進学/馬力引きの少年/母の言葉、高校へ/瀬戸の「南塾」/結婚、その後/陶器屋の子
第三章 母の愛、ハーゲンの生い立ち
「桜井さん」のこと/悔いを残して/ハーゲンの一時帰国/教会堂建設のころ/献身の姿から/出生のこと/ホヴァ家を出されて/ライラの生家/シーの街とペンテコステ/ライラの父と母/ペンテコステ宣教と日本
第四章 一枚の写真から、福井伝道
「自由キリスト教宣教団」/開拓伝道の地域/京都のナザレン教会信徒/ベルゲ、スカウゲと西出静枝/ルドルフとその家族/武生から福井へ
第五章 十字架の幻を見た青年
大阪市港区に育つ/旧制市岡中学校へ進学/福井県への疎開/父の死、弟のこと/福井精練加工染織工/武生「教会」を訪ねる/受洗、路傍伝道/聖霊のバプテスマ/聖書学校へ/反対を乗り越えて/ベルゲの故郷/クリッペン教会とベルゲ/ブラジルでの伝道/伝道中の奇跡譚/再び日本、北海道へ/教会建設、妻との別れ
第六章 奥越前とランヒル・ラヴォス
ラヴォス姉弟を訪ねて/雪国の思い出/宣教師への道/越前大野と勝山/日本伝道のむずかしさ/ハーゲン宣教師との交わり/大野の青年/三国の女性/「さとえさん」のこと
第七章 デンマークから越前、加賀へ
震災地丸岡へ/城下町丸岡/武生の生まれ/武生教会での出会い/小松、金津へ/金津福音キリスト教会/イエスパーセン夫妻
索 引 |
おおや・わたる…1949(昭和24)年奈良県生まれ。関西大学文学部教授。日本近現代史専攻・博士(文学)。関西大学文学部卒業、関西大学大学院修士課程修了。著書に、『管野スガと石上露子』『天理教の史的研究』『北村兼子
炎のジャーナリスト』『大阪河内の近代』『台湾と日本 激動の時代を生きた人びと』 『看護婦たちの南方戦線 帝国の落日を背負って』があり、編書に『石上露子全集』、編著書に『大阪の近代
大都市の息づかい』(いずれも東方出版)がある。奈良県磯城郡在住。 |
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