阪急・京阪・近鉄(大鉄・大軌)・南海・阪神、昭和初期の不況の最中に、大阪を中心とした電鉄各社が始めた百貨店事業に焦点をあて、戦前のターミナル・デパートの創立事情とその経営動向や特徴を検討。第7章では戦前の地下鉄とデパートの関係にも言及し、第8章では各百貨店の女子店員イメージなども紹介。 |
初の本格的な戦前の私鉄系ターミナル・デパートの研究書。 |
◉2015年度鉄道史学会住田奨励賞受賞◉ |
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戦前大阪の鉄道とデパート
都市交通による沿線培養の研究
谷内 正往 著 |
A5判・ハードカバー・431頁 |
定価
本体6,000円+税 |
ISBN978-4-86249-235-7 |
2014年 11月 刊行 |
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■主要目次
第Ⅰ部 ターミナル・デパートの誕生
第1 章 阪急マーケット─鉄道会社がつくった小売店
戦前の三越マーケット/阪急マーケット/ほか
第2 章 阪急百貨店の大規模化とターミナル・デパートの特質
兼業としての百貨店事業の大規模化/戦前大阪の百貨店商品券/ほか
第Ⅱ部 鉄道とデパート経営
第3 章 京阪デパート─白木屋の影響を受けた経営
京阪デパート/京浜デパート
第4 章 大鉄百貨店─現、あべのハルカス近鉄本店
大鉄百貨店計画/大鉄百貨店の業績/ほか
第5 章 大軌百貨店─現、近鉄百貨店上本町店
大軌ビルと三笠屋百貨店の営業/大軌百貨店の創設事情/ほか
第6 章 阪神の百貨店構想
阪神と阪急の抗争/大阪駅前の土地争い/ほか
第7 章 地下鉄と百貨店
東京地下鉄道と百貨店/戦前大阪の地下鉄と百貨店/ほか
第Ⅲ部 沿線培養の諸方策─教育事業と観光客誘致
第8章 昭和初期、大阪の百貨店女子店員とその養成
各百貨店の女子店員/女子店員の養成
第9章 電鉄系百貨店の女子商業学校―店員養成と乗客増のために
電鉄系百貨店の女子商業学校/沿線培養のための学校設立・学校誘致
第10 章 観光整備と情報発信
大軌参急観光協会について/戦前の箕面動物園─箕面有馬電気軌道の兼業/ほか |
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谷内 正往(たにうち・まさゆき)…1965年兵庫県生まれ。1995年近畿大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得。現在、近畿大学通信教育部、経営学部非常勤講師。毎日文化センター講座「関西の鉄道史」講師ほか。主要論文「戦前のターミナル・デパート─大鉄百貨店の創立」(近畿大学経済学会『生駒経済論叢』第7巻第1号、2009年7月)、「電鉄系百貨店の女子商業学校─昭和初期の大阪を中心として」(『大阪の歴史』第78号、2012年7月、大阪市史編纂所) |
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