さまざまな民族の乗客が乗り合わせる国際線の航空機内で、多様な文化的背景をもつ顧客一人ひとりに対応するキャビンアテンダントのもてなしを、サービスモデルのひとつとして分析。外資系航空会社の外国人枠として働いた著者自身の経験と観察、インタビューによる調査の成果をまとめる。 |
◉2014年度旅の文化奨励賞受賞◉ |
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国際線客室乗務員の仕事
八巻 惠子[著] |
A5判・ハードカバー・326頁 |
本体5,000円+税 |
ISBN978-4-86249-222-7 |
2013年 10月 刊行 |
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はじめに
序論
第1節 研究の目的
1 問題提起/2 サービスの再解釈/3 情報価値説とサービス価値説
第2節 先行研究
1 仕事の人類学/2 経営人類学/3 ビジネスのエスノグラフィ
第3節 調査概要
1 調査時期/2 調査事項/3 調査技法
第1部 航空移動サービスの価値モデルと技能レベル
第1章 機内のサービス価値モデル
第1節 サービス価値モデル
第2節 印象管理
1 制服/2 化粧/3 髪型/4 姿勢
第3節 立居振舞
1 感情表現/2 礼儀作法/3 しぐさ/4 言いぐさ
第4節 意思疎通
1 ほう・れん・そう/2 乗員同士/3 乗員乗客/4 苦情処理
第5節 展示演出
1 内装/2 座席/3 食事/4 販売
第6節 危機対応
1 事故/2 病気/3 事件/4 テロ
第2章 機内のサービス技能モデル
第1節 サービス技能の習得
第2節 サービス技能の上達
第3節 上達の構造
第2部 日本人客室乗務員の接客業務と勤務体制
第3章 航空会社の変遷
第1節 航空移動サービス
1 航空移動サービスの創出/2 機内サービスの創出/3 顧客価値の創造
第2節 H航空日本路線
1 日欧路線の歴史/2 越境的勤務体制の誕生/3 経営のグローバル化/4 客室乗務員の機内サービス
第4 章 日本人客室乗務員の接客業務
第1節 日本人客室乗務員の業務
1接客業務/2危機管理業務
第2節 日本人客室乗務員の職業訓練
1 訓練所/2 機体オペレーション/3 危機管理/4 サービス知識/5 サービス技能/6 コミュニケーション/7 異文化間コミュニケーション
第3節 フライト乗務の進行過程
1フライト前の準備 /2ショーアップ/3ブリーフィング4搭乗前準備/5乗客の搭乗 /6到着準備/7到着後の業務/8ディブリーフィング/
9 レイオーバー/10 帰国
第5章 日本人客室乗務員の越境的勤務
第1節 就職試験
第2節 越境的勤務の動機づけ
1 1960年代入社/2 1970年代入社/3 1980年代入社/4 1990年代以降入社
第3節 企業内マイノリティの日本人従業員
1 外国人としての日本人/2 日本人としての自己認識
第4節 越境的勤務の葛藤
1 接客をめぐる葛藤/2 業務をめぐる葛藤/3 エスニック・コミュニティをめぐる葛藤
第5節 越境的勤務の仕事満足
1 仕事実践の満足/2 移動と適応の満足/3 きわめる満足
結論
第1節 サービス価値説
第2節 モデル
第3節 仕事のエスノグラフィ
第4節 仕事のやりがい
第5節 考察
参考文献
資料編
1 長距離用航空機シートマップ
2 H航空客室乗務員の概要
3 面接調査対象者リスト
4 面接調査質問票
5 用語一覧表
索引
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やまき・けいこ……1964年生まれ。1984~86年、キャセイパシフィック航空客室乗務員(香港在住)。87~2007年、ルフトハンザドイツ航空客室乗務員、新入社員教育、異文化間サービス人材教育プログラム開発担当。04~07年、総合研究大学院大学文化科学研究科比較文化学専攻博士課程(退学)。07~10年、京都大学経営管理大学院研究員。10~13年、東京国際大学国際関係学部客員講師。13年、東京工業大学エージェントベース社会システム科学研究センター特任講師。広島大学大学院社会科学研究科マネジメント専攻マネジメント研究センター特任准教授。
文学博士。 |
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