従来のがん治療法と異なり、患者に優しく、何度でも繰り返し行なえる治療法=がん温熱療法(ハイパーサーミア)。熱に弱いがん細胞の性質を利用、がんが再発した患者さんにも希望を与える温熱療法を平易に紹介。 |
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がんと闘う
温熱療法と免疫
菅原 努・畑中正一 著 |
A5判・並製・132ページ |
定価 本体1,200円+税
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ISBN978-4-86249-132-9 |
2008年 12月 刊行 |
発行=毎日健康サロン
発売=東方出版 |
品切・重版未定 |
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1章 ある交信の記録
2章 がんはどう治療されてきたか
がん治療の原理…さまざまな治療法の提案/貧乏人のサイクロトロン計画/
さまざまな試みの末に
温熱の効用…温熱とはなにか/熱ショック蛋白質の発見/発熱の再評価
3章 がん治療としての温熱療法
増感法としての温熱…放射線に強いがん/温熱による増感効果/熱に弱いがん細胞
がん温熱療法の開発…体内の加温のむずかしさ/コンデンサー型の開発/
ハイパーサーミアの国際比較
温熱療法はなぜこれまで受け入れられなかったのか…「温熱療法」の混乱/
病院の対応/広範な協力を
保険の問題
4章 がん温熱療法の実際
評価をめぐる問題
有効性と限界̶医師へのインタビューから…高出力の温熱を駆使する今田肇医師に聞く
/岡村一心堂病院にて/患者に安心を与える上田公介医師/西出病院のがん温熱療法
/免疫を活用する武田力医師に聞く/「負の免疫」に
注目する照沼裕医師
臨床医の慧眼…グリッピング法/肺がんのハイパーサーミア/がんとの共存療法
/温熱の新しい作用
第10回国際ハイパーサーミア学会にて
5章 温熱療法が免疫力を高める
免疫とは…自然免疫/獲得免疫
熱ショック蛋白質のはたらき…蛋白質のシャペロン役/細胞を清潔にし、活力を保つ
/蛋白質を再生する/熱ショック 蛋白質とストレス/ハイパーサーミアと熱ショック蛋白質
成人T細胞白血病とハイパーサーミア…治りにくい成人T細胞白血病
/ハイパーサーミアによる治療
6章 温泉を見直そう
温泉とハイパーサーミア/温泉のいろいろな効能
ハイパーサーミア関連書籍
ハイパーサーミア(温熱療法)を受けられる病院 |
すがはら・つとむ…1921年生まれ。京都大学医学部卒業。京都大学医学部長、放射線生物研究センター長、国立京都病院長などを歴任。現在、(財)慢性疾患・リハビリテイション研究振興財団理事長。京都大学名誉教授。著書に『ハイパーサーミアの臨床̶難治癌への挑戦』(共編著、医学科学社)、『放射線基礎医学』(共著)、『がんと闘うハイパーサーミア』(以上、金芳堂)ほか
はたなか・まさかず…1933年生まれ。京都大学医学部卒業。京都大学ウイルス研究所長、塩野義製薬医科学研究所長、副社長などを歴任。現在、医療法人尚生会西出病院顧問。京都大学名誉教授。
著書に『ips細胞ができた̶ひろがる人類の夢』(共著、集英社)、『ウイルスとガン』『現代ウイルス事情』(岩波新書)、『がんはどこまでわかったか』(講談社)、『がんの遺伝子治療』(日経サイエンス社)ほか。 |