3歳で母に背負われ玄界灘を渡って70余年。その間の「在日」としての辛苦と希望、悲痛と公憤、夢とロマンが交錯した五行歌の結晶。1950年から2007年にかけ詠み続けられ、徠て逝く己が径に、果たせない恨(ハン)と、こころの哲学が根底を成して綴り込まれた271首を収録。 |
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五行歌 無馗の旅
宋 在星 著 |
四六判・上製・294ページ |
定価 本体2,500円+税
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ISBN978-4-86249-129-9 |
2008年 8月 刊行 |
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■目次抄
きらめく在日の詩魂の輝き……上田正昭(京大名誉教授・文学博士)
在日を生きとおしてきた者の意地のリズム……金 時鐘(詩人)
望郷ぼうきょう/花芒はなすすき/生様いきよう/蒼狼そうろう/反骨はんこつ/哀憤あいふん/垢錆あかさび/無馗むきゅう
追憶の町̶阪神淡路大震災 追悼歌
詩的言語で異質に紡ぐ悍しき歌̶解説に代えて……
韓 丘庸(児童文学評論家・大阪経済法科大学客員研究員) |
ソン・ジェソン…1934年韓国慶尚南道南海島に生まれる。’37年母とともに渡日。各地を転住。福井県にて日本の敗戦を迎える。’50年京都へ移住、経済活動に入る。’60年建設業、不動産業、食品業等の会社設立。以後、経済活動の傍ら在日同胞経済団体の役職に従事。経済金融団体の活動と同時に、地方行政の国際交流、朝・日文化交流会長等歴任。文化交流に尽力の傍ら、在日文学同人誌『民涛』『草笛』『群星』等の発行に携わり数多くの詩歌を発表。’96年詩集『血の錆』(東方出版)を出版。以後、後進の育成と学会等の研究会やシンポジウムの代表運営に関わる。 |