いのちの科学を語る……2 |
傷の症状として起こるのとは違った、神経系に発生した病気としての痛み「慢性痛症」のしくみをわかりやすく解説。
「痛み学」の先駆である著者が、医療者・患者・医療行政者に向け「痛み治療」への学際的アプローチを提案。 |
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いのちの科学を語る……2
痛みを知る
熊澤孝朗 著 |
四六判・ソフトカバー・180頁 |
定価
(本体1,500円+税)
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ISBN978-4-86249-084-1 |
2007年 11月 刊行 |
2刷 |
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第1章 痛みの新しい考え方
1 「痛み」の概念が変わった 2 欧米の「痛み」への取り組み 3 「痛み」とは何か?
コラム・ゲートコントロール説/コラム・fMRI :画像による脳機能検査
第2章 痛みのしくみ
1 痛み系の役割とその性質 2 痛みの入り口 3 痛みの伝わり方 コラム・痛みを表わす言葉 4 鎮痛系とハリ鎮痛 コラム・関連痛について
第3章 痛みが病気? 慢性痛症
1 慢性痛症では何が起こっているか 2 先取り鎮痛・モルヒネについて 3 運動系と慢性痛症の関わり コラム・痛みと記憶
第4章 痛みにどう取り組むべきか
1 学際的痛みセンターとは 2 日本の痛み医療の遅れ |
くまざわ・たかお…1932年生まれ。愛知医科大学医学部痛み学(ファイザー)寄付講座教授・医学博士。’57年名古屋大学医学部卒業。’58~’82年名古屋大学医学部生理学第一講座。この間’64~’67年スイス・チューリヒ大学、イタリア・シエナ大学、ミラノ大学、’70~’72年アメリカ・ユタ大学、ノースカロライナ大学にて研究・教育に従事。’82~’96年名古屋大学環境医学研究所教授。’96年名古屋大学名誉教授。痛覚受容器の中で最も重要なポリモーダル受容器の研究で世界的第一人者。日本の痛み医療改善のために、日本に「学際的痛みセンター」を設立すべく調査研究し、努力を重ねた。現在も基礎研究(慢性痛症モデル動物の開発)、及び、痛み医療に関する啓発活動を精力的に行った。
著書に、『痛みのケア̶慢性痛、がん性疼痛へのアプローチ』(照林社)ほかがある。2010年逝去。 |