密教の修法とは何か──在家の人びとを対象に一々の作法を詳細に解説。
深遠なる密教世界の入口へと誘う好著。「事相」(密教の修法に際して用いられる様々な作法)と「教相」(その作法に秘められている教義)の両輪の重要性を説く。 |
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■主要目次
序章●何故、真実は説かれなかったのか
真実を秘匿するもの/越三眛耶とは何か/五逆罪とは何か/教相輪は回転しているか/梵天の勧請が意味するもの/釈尊の転法輪に学ぶ/加持とは仏となること/人一人助ければ菩薩の位/修法の種別/修法が秘める思想─息災法/増益法/降伏(調伏)法/敬愛法/鉤召法/延命法/修法の理念と構成─大法・別行法・十八道法/求道と求法について/供養とは何か/本尊を賓客として迎える ほか
本章●修法の作法が象徴する真理
普礼─同時成仏の真理/登礼盤─菩薩の牀座/塗香─持戒を象徴するもの/三密観─三業の罪障を除く/結跏趺坐─魔障を防ぐ坐法/護身法─浄三業こそ真の護身/洒水─煩悩を生かす知恵/加持供物─清浄の妙供たらしめる/表白─本尊讃歎と所願の表現/神分─神々の守護を請う/五悔─心を荘厳するもの/三昧耶戒─真言行者の命根/発願─懺悔と願意表白/五大願─如来の大願に生きる/三力偈─供養成就の偈文/結界─魔障を防御するもの/道場観─心内に道場を荘厳する/大虚空蔵─大宇宙に住す/宝車輅・請車輅・迎請/降三世辟除─魔障を防ぐ智慧/金剛網─天魔を防ぐもの/金剛火院─護身の智慧/六種供養─六波羅蜜の修行/閼伽─供養によって心を洗う/華座─清浄不染の仏座/四摂─本尊を己身に迎える/辰鈴─混合薩 の説法/塗香─懺悔の誠を供養する/華鬘─供養による身の荘厳/焼香─遍至法界の功徳/飲食─心身と智慧を育てる/燈明─智慧増長するもの/四智讃─大日如来を讃える/普供養─二利を成就するもの/三力祈願─如来の神髄/礼仏─曼荼羅の諸仏を礼拝する/本尊加持─本尊の三密に合致する/正念誦─語密による成仏/散念誦─諸尊の功徳を念ず/回向─功徳を衆生に廻らす/解界─内証自覚の本宮へ還る/ほか
付章●心は神仏の通路である─『観音経』に学ぶ
すべては聞くことに始まる/短命の宿命を背負って/菩薩勝恵者/興教大師に遇う/心は神仏の宮殿である/彼の観音力とは何か/心は神仏の通路である/ほか |
いまい・みきお…宗教紙『六大新報』主幹。著書に『それ迷信やで』『密教法具に学ぶ』『秘境 邪馬台国─仏教者が見た神話と古代史』『深く経蔵に入りて智慧海の如くならん』『仏教を推理する』『観世音菩薩物語─淀姫大明神霊験記』『真言宗昭和の事件史』(以上、東方出版)などがある。 |