2005年夏、戦後60年を記念して朝日放送(ABC)は「語りつぐ戦争」という特別番組を放送した。スタッフに寄せられた1000通を超す戦争体験者の手紙から74通を収録。戦争の記憶がひとりひとりにとっていかに苛烈で、重いものか……。本書はあなたへの手紙なのです。 |
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戦争がいかに酷い運命を私たちの父や母、子どもたちに強いて来たか。
それは本当に想像を絶するものがある。…
鳥越俊太郎(ジャーナリスト)
序文より |
語りつぐ戦争
一〇〇〇通の手紙から
朝日放送…編 |
A5判・並製・242ページ |
定価1,890円
(本体1,800円+税) |
ISBN4-86249-049-2 |
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■主要目次
1 大阪大空襲…火の中を風上へ/軍需工場女性リーダーの悲惨な死/半世紀前の記憶/大丸百貨店の地下へ/煙の中の大声と地下鉄に救われた/空襲で最愛の母が…!/等12編
2 各地での空襲・被災…今も消えない傷跡〈東京〉/戦災を思い出して〈高松〉/死体の臭い〈三重〉/塩釜の空襲/焼野原になった鹿児島/母を探して泣いた10歳の夏〈広島〉/等22編
3 銃後の生活・疎開・学徒動員…絵の具まで食べちゃった/滑走路という名の田んぼ/死を見ても何の感情も湧かなかった/学徒勤労動員〜重労働と空腹/敗戦からアメリカン・ドリームへ/等23編
4 国内の軍関係者…黒髪キリリ女子挺身隊/阿鼻叫喚・沖縄/対戦車自爆訓練/陸軍病院看護婦として/特別グライダー訓練/等7編
5 引き揚げ…三八度線を越えて〜八歳の記憶/あかね空/ハルビンから帰国するまで/開拓団の自決/母が私達を満州からつれ帰った/5編
6 外地の軍関係者…フィリピンにいた私たち女子軍属/ネグロス島の山中に立てこもる/死の淵から奇跡の生還/書き残して置きたい戦友の姿/戦犯憲兵シベリアより帰還す/5編 |
ここには一般の本や映画、そしてもちろんテレビでは出会えない、別物の「戦争」があると信じています。これが歴史書やノンフィクションの書ではなく、手紙の集成だからです。手紙をお寄せいただいた人の多くが「自分の記憶を後世に伝えてほしい」と願って私たちに託した……。
編者あとがきより |