近世大坂市政の中心、大坂町奉行所の奉行や与力・同心とその手下たちの世界。創設期の謎、職務の実態と変遷、不正事件などを検証・考察。大坂に居た武士たちの息吹を伝える。 |
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大坂町奉行所異聞
渡邊忠司・・・著 |
四六判・上製・236ページ |
定価2,940円
(本体2,800円+税) |
ISBN4-86249-006-9 |
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■主要目次
T大坂町奉行創設異聞
一 三人の大坂町奉行と史実の「錯誤」
大坂町奉行の創設/三人の大坂町奉行/『徳川実記』記事混乱の背景/他
二 嶋田直時の頓死と大坂町奉行所の混乱
「頓死」の原因と背景/西町奉行所の混乱
三 寛永五年江戸城刃傷事件の顛末
刃傷の背景─旗本と譜代大名/刃傷の原因
U大坂町奉行と与力・同心異聞
一 大坂町奉行と職務
大坂町奉行職の性格/大坂町奉行の家政
二 町与力・同心の編成と職務
与力・同心の編成/与力の役席と職務の実態/町与力・同心の土着化への系譜/新任大坂町奉行の着任と与力
三 取締と捕縛
町廻り/役木戸と長吏
V大坂町奉行・与力と事件異聞
一 大坂町奉行稲垣種信と商家相続事件
事件の概要/辰巳屋久左衛門の系譜/事件の経過
二 首討足軽「御暇」一件
首討足軽安田八十八/安田八十八居宅とその調査・取調/その後の顛末
三 西町奉行所与力内山彦次郎の「暗殺」
天神橋上の「天誅」/「天誅」に揺れる大坂/「暗殺」のもう一つの理由/内山彦次郎と大塩事件
おわりに──大坂町奉行所の終焉 |
わたなべ・ただし…1947年愛媛県生まれ。大阪経済大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。現在、佛教大学文学部教授。日本経済史(近世)専攻。編著書に、『大阪の歴史力』(共編著、農山漁村文化協会)、『大坂見聞録』『近世「食い倒れ」考』『大坂町奉行と支配所・支配国』(共に東方出版)、『飛騨問屋井野口屋記録』全4巻(共編、思文閣出版)などがある。 |