苦しみに勝つ笑いの発見
金大中氏救援活動をはじめ、人権擁護派としてひろく知られる著者のエッセイ集。
軍事独裁政権下での苦難、北との対話など時代の空気を風刺と諧謔あふれる筆致で軽快に切り取る。
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ある弁護士のユーモア
韓勝憲 著
舘野ル 訳
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四六判・上製・258ページ |
定価2,100円
(本体2,000円+税) |
ISBN4-88591-966-5 |
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第一章 自叙伝メモ どんな運動をされてますか?/復活/重みのある男/前科二犯の主礼挨拶/互いに讃揚・鼓舞・同調せよ/ほか
第二章 法窓の内と外 「被告人」と呼びなさい。/解憂所/あの世にも南北分断/民青学連事件/名判決のなかの嘘/ほか
第三章 闇のなかで 人権領地/染みのついた本/接見と石鹸/三民社/「販禁」時代/監獄の風景/訳者の名前/ほか
第四章 歴史の曲がり角 北側との「晩餐」/赤と白/北韓のユーモア本/胸像の来歴/「東百事」の思い出/馬が稼ぎ出した金/鎮魂の歴史学/ほか
第五章 海外手帖 ハーバード大学/寒帯紀行/メキシコ型(?)タクシー強盗/胡錦濤国家副主席に会う/ホー・チ・ミンの遺訓/二律背反/ユダヤ人の諧謔/ほか
第六章 政治の場の逆説 青瓦台物語/誇大包装/「不可はひとつもない」/国会議員後援会/立っている女性/自動人形/賢明な愚者/故障した因果律/ほか
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韓勝憲(ハンスンホン Hahn Seung-hun) 韓国法務法人「広場」顧問弁護士、司法制度改革推進委員会共同委員長。1934年韓国全羅北道鎮安で生まれる。全北大学校政治学科卒業、57年高等考試司法科合格。法務部・ソウル地検の検事を経て65年弁護士を開業。歴代軍事独裁政権下で起訴された金芝河、金大中、徐勝兄弟、文益煥ら多数の政治犯たちを弁護する。75年、筆禍事件で服役、弁護士資格を剥奪され、80年にも5・17クーデターで拘束された。83年復権、弁護士活動を再開。金大中政権では監査院長を務める。多数の要職を歴任し、民主化・人権運動に参与。著書も多く、日本で翻訳出版されたものに『韓国の政治裁判』(サイマル出版会)がある。 |
舘野ル (たての・あきら) 1935年中国大連生まれ、法政大学経済学部卒。自由寄稿家、韓国語翻訳家。2001年韓国文化観光部長官より「出版文化功労賞」を授与される。『韓国式発想法』(NHK生活人新書)、『36人の日本人 韓国・朝鮮へのまなざし』(明石書店)ほか著訳書多数。『出版ニュース』(毎下旬号)に「海外出版レポート・韓国」を連載中。 |