近代数寄者の始祖
日本に初めて「保険」業を紹介し東京海上保険会社を創立した事業家。
若くして茶の湯に傾倒し、明治の財界人の間に茶の湯ブームを巻き起こす。
実業と風流の両道に卓越した才能を発揮した無比なる生涯と茶会の記録。 |
■主要目次
第一部 克徳伝……幕末の北海道で通詞に英語を学んだ幼少期から民権運動での活躍、数々の会社で要職を務めながら仕事より茶器に夢中になっていった生涯を豪放磊落にして温かな人柄を偲ばせる逸話多数で紹介。
第二部 茶事編……横臥的茶の湯、大晦日の徹夜茶事、瓢尽しなど、克徳が考えだしたユニークな楽しみ方と山県有朋や兄・孝をはじめそこに集った人びととの交流を綴る。 茶会記多数。
第三部 資料編……娘や親しかった茶道具商などによる生前の克徳の思い出。
解説
熊倉功夫(林原美術館館長)
年表・人名索引 |
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益田克徳翁伝
大塚栄三=著 |
A5判・上製・370ページ |
定価8,400円
(本体8,000円+税) |
ISBN4-88591-902-9 |
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近代数寄者の始祖
*ますだ・こくとく 嘉永5(1852)年、佐渡に生れる。明治36(1903)年、52歳で急逝。兄は三井財閥の礎を築いた政商・益田孝。
*近代数寄者
茶碗をはじめとする美術工芸品を道具として使い 自由な発想で茶の湯を楽しんだ人たち。
明治10年代ころから盛んに茶会がもたれた。関西では小林一三などが知られる。 |
おおつか・えいぞう…昭和15年に益田克徳の伝記を原稿としてまとめたが、時局に適合せず出版には到らなかった。その他の詳細は不明。原稿は益田家に保存される。
編者は克徳直系の曾孫。 |